アパート・マンション探しでは「時間がない」「遠すぎる」ような特別な事情がないかぎり、内見することをオススメします。
内見せずに物件の間取りや写真だけで決めることもできるとはいえ、家電製品がサイズに合わなくて設置できない、まわりに街頭がなく真っ暗で怖い、というような実際に行ってみないと分からないことがたくさんあります。
「どうしてこんな間取りにした?」というような物件もあるので注意が必要です。そうした物件はもともとの設計ミスか、あとから改築、増築したときに間取りを変更したなど、いろいろと理由があるはずです。
そこで、内見時に確認しときたいポイントをリストにしましたので、忘れないようプリントアウトしておくなり、いつでもスマホで見れるようにしとくと便利かもしれません。
これだけじゃなく、それぞれ譲れないポイントがあるでしょうから事前に考えて付け足しとくといいでしょうね。
契約後に「エアコンがついてなかった…」「洗濯機を置くスペースがなかった。」と後悔しないためにも行き当たりばったりではなく、多少は内見前にチェックポイントを整理しておくと安心です。
目次
アパート、マンションの内見で確認したいポイント
部屋のアレンジを事前にかんがえるなら、決めた物件の写真を撮るか、メモを残しておくと後々役立つかもしれません。
あとはベットや冷蔵庫、掃除機の設置場所など、持ち込む家具が入るか心配なときはメジャーでサイズを測るといいでしょう。案内してくれる不動産屋さんが持ってることも多いですが、持参しておけば安心です。
ネットで見つけた物件のばあい、その場所と近隣エリアをグーグルマップとグーグルストリート確認しとくと便利です。
とくにグーグルストリートでは物件のまわりにある建物や、車通りの激しい大通りに面してるなど、地図だけでは分からない情報をビジュアルで見ることができます。
そうすれば、わざわざ内見まで行ってから横に高層マンションがあって日当たりが最悪、のようなことも事前に把握できるので、ムダな時間を省くことも可能です。
賃貸物件さがしは時間と手間がかかるので、極力ムダをなくして効率的に行いたいものですね。
内見時に確認したいポイント
・コンセントの数と位置
・電話線の位置
・冷蔵庫の設置場所
・洗濯機の設置場所(外か屋内か)
・ガスコンロは備え付きか
・収納の場所と大きさ
・各部屋のエアコンの有無
・スーパーマーケット、コンビニからの距離
・駅からの距離
・バスの運行時間と本数、所要時間の確認
・日当たりはどうか
・物件周辺の環境
・壁の厚さで遮音性(騒音が気になる方)
・すべての窓を閉め切って道路や周辺の音をチェック
・インターネットの回線の有無(使いかた)
・ごみ捨て場(24時間いつでも捨ててOKか、曜日毎か)
・携帯電話の電波が通じるかどうか
・駐輪場と駐車場の有無
・郵便受けと宅配ロッカー
・近所やほかの住人の様子
内見でのチェックリスト、項目別の詳細
僕の体験談もふまえて、いくつか項目別にみていきます。
コンセントの数と位置。
意外と忘れがちなのがこれ。
引越して初めてコンセントの数が少ないことに気づくこともあります。
とくに1部屋に1ヶ所しかないときには、テレビやパソコンのケーブルが窓やドアを挟むようになることもあり、不恰好なだけでなくしっかりと束ねるなどの工夫をしないと危険です。
まさにいま僕が住んでる家がコレで、パソコンにはベランダのドアの下を横切る形でケーブルを固定しています。それと、テレビを見るためのコンセントはリビングルームにしかないため、寝室にはテレビを置いていません。
もしテレビを観るとすると、リビングから寝室につながるドア2枚を挟むことになります。となると、テレビを観るときだけケーブルを抜き差しするか、ドアをずっと開けっ放しにしておく必要があるため不便です。
僕はテレビをほぼ観ないので問題ないですが、テレビを観たい方はそれなりの工夫と我慢が必要なのでストレスになるでしょうね。
こうした事例もあるので、家電製品のコンセントの有無、テレビケーブルのコンセントの有無はしっかりと確認しておくのがいいでしょう。
それと、固定電話を置くには電話線のコンセントが必要なので、設置予定の方は場所を確認しておくこと。コンセントがなかったり希望位置から離れてるとそれなりに大変だと思います。
冷蔵庫の設置場所
たいていの物件は大丈夫ですが、なかには冷蔵庫や洗濯機を置くスペースが異様に小さいことがあります。すると一般的なサイズのものを設置できなくて困ります。
とくに古い物件は注意が必要で、内見時にどうみても冷蔵庫を置くスペースがない(シンク横にそれらしきスペースがあるものの、明らかに幅が足りない…)物件を見たことがあります。
いやらしいのが、そのときの不動産屋さんの担当者はどうやら事前に分かってたみたいなのに、僕が指摘するまで一切言わないんですよねぇ…。契約とるのが仕事とはいえ、もうちょっと入居者のことを考えて欲しいなと。
どうも今までの経験からすると、不動産屋さんは入居者よりも物件のオーナー側を優遇することが多い気がします。継続的な収入をくれるのはオーナーさんとはいえ、あからさまにそうした態度を取られるといい気分はしませんな。
洗濯機の置場は部屋の外か中か
これは物件ごとに違うので都度確認してください。
とくに古い物件ほど外に置くことが多いと思います。
外に置き場がある場合でも、部屋の出入口の側なのか、ベランダ・バルコニーなのか、物件によりそれぞれです。
僕はいままで一度だけベランダに設置する物件に住んだことがあります。
大学入学で住みはじめた初めての一人暮らしのときで、部屋のすぐ外のちっちゃなベランダに洗濯機を置くスペースがありました。
で厄介だったのが、洗濯機をつかうにはケーブルでコンセントにつなげなきゃならないため、使用中は窓をすこし開けたままにしてコンセントをつなぐ必要がありました。使用するたびにコンセントの抜き差しが必要だったわけです。
すべての外置きタイプの物件がそうなのかわかりませんが、洗濯機の置き場が外のときは、そうした利便性も考慮しとくのがいいですね。
ガスコンロは備え付きか
料理用のガスコンロが物件についてるかどうかは、物件次第です。
ない場合には自分で用意することになるのでチェックしておきましょう。
ないと必ずしてもマイナスかというとそんなこともなく、おしゃれなガスコンロから火を使わないIHクッキングヒーターまで種類が豊富にあります。
値段は1万〜5万円ほどの出費となりますが、自分の用途にあったものを選べるので料理する人にとってはむしろ備え付きじゃないほうが嬉しいかもしれないですね。
スーパーマーケット、コンビニからの距離
たいてい駅近物件であればスーパーマーケットのひとつはあるものですが、必ずしもそうとは言えないので注意が必要です。
地方の田舎で畑だらけのような場所ならまだ分かるものの、東京の住宅街でも最寄りスーパーまで徒歩30分なんてところもあります。
これは僕が住んだ某駅ですが、そこでは景観をそこねるといった理由からスーパーの進出が決まると反対運動が起こるようです。
ただ代わりにコンビニは駅まわりにも多く、各店が地元農家と契約した野菜を売ってたので、コンビニがスーパーの役割をある程度になっていたと言えるでしょう。でも不便だったけどねぇ…。
そうした例は珍しいとはいえ、気になった物件の最寄のスーパーとコンビニは必ずチェックしとくといいですよ。
駅からの距離
車で物件まで連れて行ってもらうことも多いですが、気に入った物件があったら必ず駅まで歩いてみましょう。徒歩だと車だと通る道がちがったり、電車の開かずの踏み切りがあったりします。
僕は不動産屋さんの案内が終わってから、気になった物件まで徒歩で向かいます。そうすることでふだん歩く道がどんなところかわかりますし、かかる時間もわかります。
いままで住んだ物件では、開かずの踏み切りで毎朝10分ぐらい電車の通過待ちをしなきゃいけないこともありましたし、最寄り駅までラブホテル街のド真ん中を通らなきゃいけないこともありました。
そうした物件のデメリットになるような情報は不動屋さんも教えてくれないことも多いので自分で確認するしかありません。住んでから「こんなはずじゃなかった…トホホ」と後悔しないようにしましょう。
ちなみに、物件案内に記載されてる駅までの所要時間は当てにならなことが多々あります。あれは駅から物件までの直線距離で時間を算出してるため、たいていは実際にかかる時間よりも短くなっているので注意が必要です。
バスの運行時間と本数、所要時間の確認
もし駅までの移動に自転車やバスを使うのであれば、バスの運行時間と本数、所要時間を確認しとくといいでしょう(自転車は徒歩とおなじ道で大丈夫なことがほとんどだと思います)。
バスもルートによってかかる時間が全くちがいますし、実際につかうバスの詳細はチェックしとくと安心です。
日当たりはどうか
物件選びで日当たりを気にする方もいるでしょう。洗濯物が乾きやすくなりますし、生活リズムを保ちやすいのが日当たりのいい物件の特徴ともいえます。
すると南向きのアパートやマンションがベストな選択肢になりますが、建物に遮られたりして、南向きなのに日当たりが悪いことは多々あります。
1階だと通行人からの目隠しでちょっとした壁がある物件も多いのでこれも注意が必要です。
やはり一番は内見をして自分の目で確かめることですね。
暗くてわからないこともあるでしょうから、そんなときは不動産の担当者と相談して日当たりのいい時間帯にもういちど内見させてもらいましょう。
僕個人としては、いままで日当たりの良さを考えて物件選びをしたことはありませんでした。ただ何度か南向きの家に住んだ実感として、朝日がほどよく差し込んで目が覚めるので体調管理がしやすかったなと。
そして昼は明るくて強めの日光。夕方もすこしずつ暗くなっていくのが部屋の中からも感じられます。
そうした1日のリズムをすごく感じることができるんですよね。
メリハリのある、リズムのある生活を送るのに南向きの物件(ちゃんと日光が差し込む、さえぎる建物がない)はすごくいいですよ。
物件周辺の環境(近隣)
グーグルマップやストリートビューを使えばあるていどはインターネット上でも確認可能です。
ただやはり生の雰囲気を感じることはできないので、内見のとき、またはその後にでも自分の足で歩き回ってみることをオススメします。
内見では3、4件をまとめて見るのが一般的でしょうから、ひとつひとつの物件まわりをじっくり見ることは難しいです。
ただしこれから当分のあいだ住むというのに、周辺環境を知らずに(感じられずに)決めるのは恐いですよね?
僕は気に入った物件があった場合にそれを第一候補、第二候補として考えておき、不動産屋さんからでたあとに、時間があれば最寄り駅からその物件まで歩いてみます。
仮にその日に時間がなかったとしても、別の日に時間をとって歩きます。
そうすることで近所の雰囲気や最寄り駅周辺のこともすこしは把握できるので、検討材料のひとつになりますね。
壁の厚さで遮音性チェック(騒音が気になる方)
これもいつからか毎回するようになりました。賃貸物件のクレーム、もめ事で最も多いといっていいのが騒音トラブルです。
同じ建物に世代や性別のちがう見知らぬ人が複数人住むんですから、そうしたトラブルは起きやすいもの。
そうした騒音トラブルの理由は様々でしょうが、そのひとつが壁の薄さです。隣人のくしゃみが聞こえたり、階段の上り下りが聞こえたりと、まわりの音が気になったことがある人は多いのでは?
賃貸で騒音が気になる方は、木造よりも鉄骨、鉄骨よりもコンクリート造の建物を選ぶのが鉄則ですが、それでも住人のモラルや神経質さにもよるので一概にコンクリートであれば安心かというとそうとは言えません。
壁はぶ厚いほうが防音効果は増すので、騒音が気になる方はコンコンと部屋の壁を叩いてみましょう。空洞であれば響くような音がしますし、中までしっかりとコンクリートやほかの材質?が詰まってるのであればコツコツとした響きがない音になります。
興味深いのは、片方の壁ではコツコツと中がみっしりと詰まってるのに対して、もう片方は音が響く空洞になってることがあること。おなじ鉄骨構造でもそうしたことがあります。
インターネットの利用方法
あたらしい物件であればネット環境が整ってるでしょうが、古い物件の場合は注意が必要です。建てらてた時にはネットがなかったことになるので、インターネットの利用が前提にありません。LANケーブルの差し込み口がないこともしばしば。
WiMAXなどのモバイル端末を使ったり、回線開通の工事が必要になることもあるでしょうから、物件探しでいいところが見つかったらネットの接続方法は必ず確認しときたいところです。
携帯電話の電波が通じるか
これも大切。
一昔前にくらべて大手三社の電波状況は良くなった気がするものの、山の中や高層ビルなど今だに圏外になることも結構ありますよね。
僕の生まれ育った東京西部では、ちょっと山の中に行くともう携帯がつながりません。
こればっかりは仕方がない…。
もし引越し先で固定電話を持つ予定もなく携帯がつながらなかったら大変なので、これもしっかりと確認するようにしましょう。たいていは大丈夫かと思いますが…。
駐輪場、駐車場の有無
意外と忘れがちなのがこれ。
車はまあ忘れることはないにしても、とくに自転車のことをスポッと忘れてることがあります。駐輪場がない時はたいていアパートの前にむき出しで自転車を置くことになり、屋根がないこともしばしば。
カバーを自前で用意しとかないと錆びてしまいますし、メンテナンスが大変です。
それと物件によっては駐輪場は別途1000円/月などの別料金を設定してるとこもあります。
駐車場もたいてい費用がかかりますが、なかには無料なこともあるので確認が必要です。
以上、最後のほうは若干急ぎ足で書いてしまいましたが、こんなところではないでしょうか。それぞれ優先順位は異なるはずなので、自身でどの項目は絶対に譲れないか決めておくと物件の良し悪しの判断がつきやすいと思います。